不動産登記の辞書

あ行

・売渡証書
不動産の売買契約の内容を簡潔に要約した書面のことを「売渡証書」といい、一般的に売主または買主からの依頼により、登記手続をする司法書士が不動産売買契約書をもとにして作成する。売主と買主の住所氏名、当該不動産の概要が記載され、登記原因証明情報として、所有権移転登記を申請する際に登記所に提出される。

・乙区
登記記録において、不動産の所有権以外の権利に関する事項を記載した部分のこと。「抵当権設定登記」「地役権設定登記」「賃借権設定登記」などが記載される。

か行

・家屋番号
建物の登記簿の中に示された建物を特定する番号。基本的に敷地の地番と同じ番号をつけられる。市町村による住所表示とは異なるので注意。

・仮登記
売買契約が予約で止まっているなど、登記要件が完備していない場合に、将来の本登記の順位保全を保つための予備的登記のこと。仮登記自体には対抗力がないが、本登記がなされれば順位保全効力を有する。

・合筆
複数の土地を、ひとつにまとめること。

・休眠担保権
古い抵当権や、放置されたままの昔の抵当権等のこと。これらがついたままの不動産は、そのまま管理処分ができないため、訴訟等で抹消することができる。

・供託
地主や貸主が行方不明になった等の理由で、支払いたくても家賃等を支払えなくなった場合、国の機関である供託所に代金を預けることで、支払と同じ効果になる制度。

・共同担保
債権の担保として、複数の不動産に対して抵当権(=担保)を設定すること。一般的には、土地とその上に立つ建物に共同担保を設定することが多い。

・権利証
登記済権利書ともいう。平成17年の法改正以前に不動産を登記した際に発行されていた書類で、該当する不動産の情報や所有権、その他の権利等の他、登記した司法書士の名前や法務局の受領印が施されている。所有権移転や、抵当権設定時に必要になるが、紛失すると再発行はできない。

・権利部
登記簿に記録された所有権(甲区)と、その他権利の部分(乙区)からなる記録。甲区には、登記の目的や原因、所有者情報等が記載され、乙区には、抵当権や地上権等が記される。

・公証人
法律実務家のうち30年以上の実務経験を有する者の中から、法務大臣に任命され公証役場に勤める公務員のこと。遺言等の公正証書の作成や会社設立時の定款認証等を行う。

・公図
土地台帳付属地図のことを指し、字図ともいう。法務局で保管しているが、明治時代に作られたため不確かなことが多い。

・更正登記
登記申請時に、誤ったり漏れがあったりして、そのまま登記されてしまった場合、訂正等を行う登記のこと。

・固定資産税評価額
市町村が決定するもので、3年ごとに評価替えを行い、固定資産税の他、都市計画税や不動産取得税、登録免許税等の基準になるもの。

さ行

・敷地権
マンションのように、ある一つの建物の中に、区分された専有部分が複数ある場合、土地と建物が一体となり登記される権利形態を指す。

・所有権移転登記
不動産の所有権が、他者に移転したときに行う登記で、その原因は売買や贈与、相続等がある。原因によって提出する書類は異なるが、登記識別情報または権利証は必ず必要である。

・所有権保存登記
建物の新築時等、その不動産に対して行う一番初めの所有権の登記のこと。その前には表題部の表示登記を行っておく必要がある。

・時効取得
民法162条に定められた要件を満たし、一定期間、所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を占有した場合に、所有権等の権利を取得することができること。善意無過失で10年、それ以外は20年の占有期間が必要である。

・事前通知
紛失等で、登記名義人が登記識別情報を提供できない場合の制度。登記申請について、本人の意思確認のために、法務局から申請人に対して「登記申請がなされたこと」「自分が確かに登記を申請した旨を申し出る旨」を通知する書面を郵送し、2週間以内に登記名義人から間違いないとの申出があったときに登記の実行をする制度。時間がかかるため、売買には不向き。その場合には司法書士等の資格者による本人確認情報の提供が必要である。

・住宅用家屋証明書
不動産登記にかかる登録免許税の減免を受ける場合に、当該家屋が住宅用であることを証明する市町村発行の証明書。

た行

・地役権
自分の土地(要役地)の利便性を高めるために、他人の土地(承役地)を利用すること。たとえば、自分の土地が袋地の場合、他人の土地を通らないと道路に出られない。このようなときには「通行地役権」を設定する。この要役地を売買する際は地役権も付随して移転する。

・地上権
他人の土地で、建物や工作物を所有するために、土地を使用する権利のこと。地上権は物権であり、土地所有者は地上権を登記しなければ、第三者に対抗することができない。

・地目
登記簿上に表された宅地、畑、原野等の土地の現況と利用状況による区分のこと。

・地目変更
土地の現況を調査し、地目を変更すること。

・抵当権設定登記
不動産取引で、抵当権設定登記が行われるのは、たとえば住宅ローンを借り入れして、自宅を購入する場合、債務者(借主)が銀行など(貸主)と抵当権設定契約を結ぶ場合である。借主が債務を履行できない場合、貸主は競売等により不動産を売却し、債権を担保することができる。この登記には、日付、原因、債権額、利息、損害金などが表記される。

・登記完了証
登記申請が完了したことを証明する書類で、法務局から無料で発行されるもの。これは再発行されず、権利等を証明する登記識別情報通知書のような重要な役割はない。

・登記義務者
不動産の所有権移転登記に伴い、売主は代金の授受によってその権利を買主に移すような、登記によって権利を失う者を登記義務者という。

・登記権利者
登記義務者と反対に、登記によって権利を得る者を指す。

・登記原因証明情報
売買による所有権移転など、権利の変動を登記する場合には、1.登記の目的(所有権移転)2.登記の原因(●●年●月●日売買)3.当事者(権利者と義務者の氏名)4.不動産の表示を含む登記原因証明情報を添付しなければならない。なお、相続における登記原因証明情報は、相続関係を表す相関図と遺産分割協議書をいう。

・登記識別情報通知
平成17年の法改正で登記事務が電子化されたことにより(一部平成20年の場合もあり)登記済証に代わるものとして、登記名義人に対して交付される登記識別情報(12桁の番号)のこと。この番号の部分には特殊なシールが貼付され、名義人以外の者が盗み見ることを予防している。再交付はされない。

・登記所
「法務局」、「地方法務局」、「支局」、「出張所」等の登記事務をする機関。

・登記済証
登記事務の電子化以前に、登記名義人に対して交付されていた登記申請書の写しのこと。これには「登記済」の押印がなされ、登記名義人の権利を証するものであることから「権利証」とも呼ばれる。

・登記名義人
ひとつの不動産に対して、所有権や賃借権、抵当権等の権利を有すると登記されている者をいう。

・登録免許税
不動産登記の際に、登記所で納付する国税のこと。保存登記や所有権移転登記、抵当権設定登記など、その種類ごとに税率が決められている。ただし住宅に関しては軽減措置がある。

な行

・2号仮登記
売買予約契約(たとえばローン特約など、買主が予約完結権を行使した場合に所有権が移転するという契約)を締結した場合や、農地の売買契約において、農業委員会の許可を条件とする場合など、契約等を締結してはいるものの、対象不動産の所有権移転の効果自体はまだ発生していないときにする仮登記のこと。

・根抵当権
法人等が金融機関との継続的取引等において、定められた極度額の範囲内で貸付を受け、その額を限度として、不動産等で担保する抵当権のこと。例えば1億円の根抵当権における借入に対して、3千万円を弁済し、新たに事業拡大をしようとするときは、また3千万円を借り入れることが可能であり、抵当権抹消は不要である。

は行

・表示登記
建物新築時など、不動産の物理的な状況を表すために、不動産登記簿の表題部になされる登記のこと。土地には所在・地番・地目・地積が、建物には所在・家屋番号・種類・床面積等が表示される。一般的に土地家屋調査士に依頼をして行う登記である。

・表題部
登記簿の中で、ひとつの不動産ごとに登記された表示登記が記載されている部分を指す。

・付属建物
主たる建物に付属した小屋、物置等のこと。登記簿上は表題部に「附属建物」と登記されるが、未登記であっても主たる建物が登記されていれば、対抗力は及ぶ場合もある。

・変更登記
登記名義人の住所変更や、婚姻等による氏名変更等、不動産登記において、登記事項に事後に変更があった場合、実体とが異なる場合に変更するための登記のこと。

・保存登記
初めてなされる不動産の所有権の登記のこと。登記記録上では、権利部の甲区に「所有権保存 所有者●●」と記載される。

ま行

・抹消登記
登記の記載を抹消する登記のこと。たとえば、住宅ローンを完済し、抵当権を抹消するためには、金融機関からの解除証書等の書類が必要になる。

・(建物)滅失登記
解体する等して建物がなくなった場合に、建物に関する登記簿を閉鎖する登記を指す。

PAGE TOP

佐世保事務所

〒857-0042 長崎県佐世保市高砂町4番11号

お電話にてご予約の上、お越しください

0956-25-1737

[電話受付時間] 平日09:00~18:00

  • ご来所の際は、必ずお電話にてご予約をお願い致します。また、運転免許証等の身分証明書を必ずご持参ください。
  • 電話相談及びメール予約・相談は受け付けておりません。

佐世保事務所へのご予約

0956-25-1737

平戸事務所へのご予約

0950-26-0077